システムトレードの前に知っておくべきこと
自分なりの確たるトレードルールを持っていますか?
システムトレードの話をする前に、まずは誰もが知っておくべき大切な話をします。
どんなトレード手法、すなわち、テクニカル投資であれ、ファンダメンタルズ投資であれ、デイトレードであれ、 スイングトレードであれ、長期投資であれ、以下のような意思決定は必ず行います。
・仕掛け・・・どんなタイミングでどの銘柄を仕掛けるのか?
・手仕舞い・・・どんなタイミングで手仕舞いするのか?
・資金管理・・・どんなどきに、どの銘柄にどれだけの資金を振り分けるのか?
このことをはっきり意識しているかどうかは別として、この3つの意思決定が揃ってはじめてトレード手法であると言えます。
そこで問題になるのが、仕掛け、手仕舞い、資金管理、の3つの意思決定について、自分なりに確たるルールを持っているかどうかという点です。
ほとんどのトレーダーは確たるルールをもっていない
ただ、残念ながら、ほとんどのトレーダーはこの確たるルールを持っていません。そのために、トレードで安定したパフォーマンスを出せずにいます。
また、トレードで安定したパフォーマンスを出せずにいるために、その時々に出てくる相場の必勝法に踊らされてしまいます。
たとえば、あるトレーダーAさんの成功話として、
「Aさんが、Bという銘柄を、Cという時期に、Dという金額だけ仕込んで、大成功した。」
というものが出てきたとします。
とくに上昇相場においては、このような成功したトレーダーの話がたくさん出きます。
成功したトレーダーの話を聞いて自分のトレードの参考にしたいという気持ちは分かりますが、残念ながら、それが自分にとって本当に良い話かどうかは分かりません。なぜならば、Aさんの成功は、単なるまぐれだったかもしれないからです。
Aさんの成功がまぐれかどうかをはっきりと区別するのは難しいですが、以下の3つの基準に照らし合わせて考えてみてください。
(1)Aさんのトレード手法、つまり、仕掛け、手仕舞い、資金管理、に関する条件は明確でしょうか?
(2)Aさんのトレード手法は、過去データを使って検証をして有効だと確認できたものでしょうか?
(3)Aさんのトレード実績は、十分に多くの事例を含んでいるでしょうか?
これら3つについて、いずれもNOであれば・・・
Aさんはたまたま良い相場に当たって運良く成功しただけである可能性が高いと言えます。
そんなAさんの成功話を聞いたとしても、それは宝くじの当て方を聞くようなものです。
宝くじに当たるかどうかは、それこそ確率上の偶然以上のものはありませんから、残念ながらAさんの話を聞いたところで、自分のトレードに活かせるノウハウを得ることはまず無いといっても良いでしょう。
確たるルールとは過去において有効性が確認されたルールである
それでは、確たるルールとは一体何でしょうか?
それは、以下の3つを満たしているトレード手法だと言えるのではないでしょうか?
(1)仕掛け、手仕舞い、資金管理、の3つの意思決定が明確であること
(2)過去データを使って検証をして、有効だと確認できたこと
(3)トレード数は十分なサンプル数を持っていること
つまり、上記の基準に照らし合わせて、過去有効に機能したトレード手法を探すことが、まずは大事であるということです。
もちろん、過去は将来の延長ではないので、過去有効だったトレード手法が将来もそのまま有効だという保証はありません。
しかし、過去有効でなかったトレード手法を採用したいと思う人はいないでしょう。また、相場の歴史は繰り返すという側面も少なからずあります。
まずはルールを明確にして、過去において有効であったかどうかを確認できる手法であることが必須条件だと言えます。
そして、これら3つの条件を満たしているトレード手法として、システムトレードという手法が存在するのです。